ジューシー


「どれ」
「っ…やだっ…」

白哉は椅子の背を引いて一護と机の距離を開ける。
その間に入り込んで、面白そうに腰紐に手を伸ばした。
嫌なら逃げれば良いものを一護は椅子に座ったまま、せめてと腕を突っぱねて白哉を押し返そうとする。
そんな力の入っていない腕など、白哉相手では意味が無い。
簡単に腰を取られ、また袴を下ろされてしまった。
白哉は一護から剥ぎ取った袴を開き、中を覗き込む。

「見んなよっ」
「…また随分と出したものだな」
「見んなってばっ…」

一護が逃げ出せなかった理由がそこには着いていた。
白く、青苦い液体。

「恋次の指でイったか」
「見んなってばぁ…っ」

えぐえぐと泣く様は、粗相を知られた子供の様。
そんな一護に、白哉の嗜虐心と愛情中枢が刺激される。
ジュクジュクと熟れた様な、愛しさ。
白哉の手は袴から一護の膝へと移り、両膝を大きく広げる。
そしてその足をそれぞれ、椅子の肘掛けに乗せて固定させた。
袴の中で放ったペニスは、一護自身の精液で濡れそぼっていて。
いつもよりも、粘着質な様だ。

「…随分と濃い様だが…私が行けぬ間処理はしなかったのか?」
「…しら…ない…っ」
「知らぬ事はないだろう。お前の事だ」
「ひっ…あぅ…っっ」

うな垂れる一護のペニスの先端を、白哉はきゅっっと摘み引っ張り上げた。
余り気味の皮が、先をすっぽりと被ってしまう。
ようやく最近剥け始めて来たのに、子供に戻されてしまった。
ペニスの有様が恥かしくて、一護は喉をヒクッと鳴らす。
白哉はクスリと笑って、ペニスを摘んだ手を揺らした。
手を揺らしたのだから、勿論ペニスもぷらぷらと揺れる。
痛みは無い。
痛みは無いけど、文字通りペニスを弄ばれて、恥かしくて堪らない。



恥かしさに、陥落した。

「…1回…だけ…」
「自慰を禁じてはいないのだから、もっとしても良かったのだぞ?」
「…いつ…あんた…来るか…判らないのに…落ち着いて、出来…か、よ…」

白哉の手は変わらず一護のペニスを弄り続けている。
被せた皮をまた引き下げ、括れをコリコリと揉んだり。
根元の方から裏筋を擦り上げられて、一護の口から熱い息が漏れた。
肘掛の両足は、つま先までピンと張って、快感を受けてる事を表している。
張ってた意地を取り払われて、より大きく感じている様子。
だからと言って羞恥心が無くなる訳ではなくて。
全てを開かされている今の姿は、恥かしくて堪らないらしい。
やり場がないと言うのもあるだろうが、両手は隠す様に顔を被っている。
可愛らしい事だ。
一護のペニスからはまた液が漏れだしていて、白哉の手を濡らしている。
濡れた手でまたペニスに皮を被せると、一護は慌てて手を伸ばしてきた。
隠した所で、丸見えなのに。

「やだっ…やめろよっ…」
「何故?」
「恥か…し…い…っ…」
「可愛らしいではないか。お前に良く似合う」
「やだっ…やっと…剥けてきた…のに…」

恥かしそうな一護。
ペニスは情欲を露わにして、奥の窄みには震える『いちご』を含んで悶えている。
それで居ながら、丸きり子供にされてしまったのだから、当然かも知れない。
なのにざわりと粟立つ。
震える一護の唇を見て、白哉は薄い笑みを見せた。
一護の髪をそっと撫でて、恋次の机に白哉は座る。
片膝を立てて、足を大きく開いて。
白哉らしからぬ行儀の悪さだが、それだけに扇情的だ。
切れ長の目が一護を射る。
一護はざわりと、下腹が粟立つのを感じた。

「びゃっ…白…哉…?」

答えは無い。
目は一護を射たままだ。
ざわざわと項が総毛立つ。
白哉の目は一護を射たまま。
何も言われないけれど、一護は命じられた様に思った。
怪しげな術でも使われたのだろうか。
一護の手はそろそろと白哉の前張りに伸びる。
取り出したモノはまだ、何も反応してはいない。
白哉が一護の腕を引くと、椅子も引かれて机の前に来た。
普通に執務が出来る位置にまで。
それは白哉の股間が一護の眼前に来たと言う事。

一護は手の中にある、白哉のモノを見る。
こんなにゆっくりと見たのは初めてかもしれない。
明らかに自分のモノとは違う。
大きさも、色も、何よりしっかり剥けていて。
これがいつも自分の中に入っているのだと思って、下腹が熱くなる。

「…そっと揉んでみろ」
「…んっ…」

まるで夢現な状態で、一護は素直に白哉のペニスを揉む。

「そうだ…そうしたら舌を出して、先を舐めてみろ」
「……んっ…ふ」

おっかなびっくりと言った感じで、白哉に舌を這わせる。
一瞬の躊躇がまた初々しい。
興奮しているのか、一護の頬は、紅潮している。

「良し…次は根元から…」
「…ん、んっ…ふ」

一護は舌をいっぱいに出して、ソフトクリームを舐める様に、白哉に舌を這わす。
白哉のペニスから液が出てきた。
一護は自分の唾液と白哉の体液で、頬をベタベタにして舐め続けている。

「…いい子だ」
「んっ…ひあっ…」

ヴィ―――ンと後ろから立つ音が大きくなった。
白哉がまたスイッチを強くしたのだ。
一護の可愛らしいペニスから、液が零れた。
苦しい位なのにざわつきは増すばかり。
もう一護にも判ってしまった。
術に掛かったのでもなんでもない。
白哉に欲情したのだと言う事を。

「出来るまでで良い…口に含んでみろ」
「…ぅんっ…」

恐る恐る、一護は白哉のペニスを咥えた。
咽の奥までは咥えられないが、今の一護に出来る精一杯。
舌に乗る感触と伝わってくる体温が、経験した事のないもので気持ち悪い。
それでも一護は放したいと思わなかった。
ただ、どうしたら良いのかが判らない。
窺う様に、白哉に視線を向けた。

「上下に口を動かしてみろ。慌てなくても良い。苦しくなったら一旦口を放しても構わぬぞ」
「…んっ…」

じゅぷじゅぷと濡れた音を立てて、一護の顔は前後に揺れた。
一護の口の中で、白哉がグッと力を増す。
苦しさが増して、舌に乗るモノに苦味が増した。
白哉が勃起したのだと知れる。
拙い愛撫であろうに。
白哉がいつも施すのに比べたら、咥えただけで何でもないものなのに。

一護はプハッと口を離した。

「苦しかったか?」
「やっ…あのっ…ちょっと…聞いて…みた、くなってっ…」
「何だ?」

中で震える『いちご』が邪魔で、スムーズに言葉を発せられない。
白哉が程好くズレた位置に置いたので、感じるばかりで一向にイケないが。
それだけに喋り辛い。
たどたどしく、賢明に言葉を綴る一護。

「なん、でっ…勃起っ…出…来んのっ…っ」
「…………何を考えてるかと思えば…お前が咥えたからに決まってるだろう」
「だってっ…俺っ…へたっ…っ」
「可愛いお前が咥えているのに、感じぬ訳がなかろう」

白哉は鉄面皮だ。
実際彼の部下からすると冷徹鋼鉄面皮と言った感じだ。
笑った顔なんて意地悪そうな顔以外は、盆・暮れ・正月位にしか見れそうにないのに。
なんて事だろう。
一護の発言に呆れたように、だが愛おしさを前面に出して。
ふわりと、優しく笑って見せた。
その優美な顔で、凛とした佇まいで、そんなの…。

「…ずりぃ…っ」
「何がだ?」

白哉のマイペースさに振り回されて来た一護。
良くも悪くも白哉は天然だったのだと、今更に気付く。
自覚の無さを指摘され続けて来たけれど、とんでもない。お互い様だ。
一護を煽っておいて、気付いてないなんて。

「足っ…降ろ、していい…?…そんでっ…ちゃんとアンタの…舐めたいっ…」

目元を赤く染めて、欲情の篭った掠れた声。
白哉は答えない。
ただ、一護の髪を梳いて顎を引いた。





2005.1.31