迷子
帰宅した一護を迎えた白哉は、一護の腕の中に居る生き物に目をやり、再び一護に視線を戻した。
「何だそれは?」
あからさまに責める目つきと口調の白哉に、やっぱりなと思いつつも一護は意を決して口を開いた。
「コイツ飼っても良いかな?」
一護は腕に抱いた生まれて間もないような仔犬を見つめた後に白哉の目をしっかりと見据えて問う。
片眉を僅かに上げながら、視線だけでどういうことだと白哉が一護を促す。
勿論ちゃんとした説明もなしに白哉の許可が得られるとは思っていなかったので、一護はここに至るまでの情況をしっかりと白哉に伝えた。
仔犬と出合ったのは帰宅途中の公園だった。近道をしようと公園内を突っ切っていた時に、滑り台の影からヨタヨタとした足取りで仔犬が出てきて一護と目が合った。最初は飼い犬がリードを外されて公園内を歩いているんだろうくらいに思って気にもしなかったのだが、帰宅を急ぐ一護の後をその仔犬が追っかけてくるに至り、初めて?と思った。そもそもまだちゃんと歩けないような仔犬がリードを外されて歩き回っているだろうか?まずそんな事はありえない。しかもよく見ると首輪もしていなかった。
という事は捨て犬?迷い犬?どちらにしても周囲に飼い主らしき人影が無いことから、この仔犬は迷い犬である事だけは間違い無さそうだった。
一護は迷った末にこのまま放置しておく事は出来ないと判断した。夜になって冷えてくれば、冬本番の12月下旬。寒さを凌げない仔犬が、死なないまでも無事で居るとは考えられなかった。迷い犬ならば飼い主を探して返せば良い。もし捨て犬ならば飼ってくれる人を探せば良い。白哉はきっと怒るだろうが、短い間なら何とか我慢してくれるだろう。
決まってしまえばこんな寒い公園でじっとしていることはない。そうして白哉の待つ自宅へと帰って来たのである。
説明を終えて白哉の反応を待つ間ドキドキしたが、白哉は仕方ないとため息をつきつつも短い期間ならと家に入れることを許可してくれた。
何度見てもため息をつかずにはいられないほど怜悧な美貌をもつ白哉だが、その印象とは裏腹に本当は優しい。
普段我がまなどを言わない一護が、真剣な面持ちで頼み事をするのを無下にはしない。
大黒柱である一心ではなく白哉が黒崎家の決定権を持っているのはなんとも不思議だが・・・。
「犬の面倒はお前が責任を持ってするんだぞ。あと飼い主探しや貰い手探しもお前がやるんだ」
「分かってる。兄貴には迷惑掛けないから心配しないでくれよ」
一護は白哉の許可が出てほっとした。白哉の許可があれば一心が反対しても大丈夫。まあ、動物好きの一心が駄目と言うはずも無いが・・・。遊子や夏梨は言わずもがなである。大喜びではしゃぐだろう。要は最大の難関を突破したのである。
ほっとした表情をする一護を愛しそうに見つめながら白哉は薄っすらと口はしに笑みを浮かべる。滅多に見られないその笑みは本当に綺麗で見るものを虜にせずにはいられないが、惜しいかな急にぐずりだした仔犬に慌てた一護は見ることが叶わなかった。
結局、元の飼い主も新たな貰い手も探し出せず黒崎家で飼うことになった仔犬には「カイ」という名前が付けられた。白哉との約束を守れなかった一護が白哉のお仕置きを受けたのはまた別の話・・・・。
END
白哉×一護SS第一弾。
我が家にワンコが来る事になったので
嬉しくってつい駄文を書いてしまった;;;
別に白一である必要は全く無い内容に凹み気味(>_<)
こんなのが白一初SSっていうのが情けない;;;
本当は書きかけの白一駄文があって、そっちをUPしたかったんですが、
何故かたった二時間程度で書いた物を上げてしまった・・・。
しかも意味不明の偽兄弟ネタ・・・。
もう一本も偽兄弟ネタなので、シリーズっぽくしちゃおうかなーー;;
微妙に辻褄合わないと思うけど(^^;
2004.12.14
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