初めての体験 4
てくてくと歩いて辿り着いたのは墓地。
見晴らしの良い美しいこの霊園には一護の母・真咲が眠っている。
目の前に広がる墓地に暫しあっけに取られて白哉は一護を見る。
墓参りなら墓参りと一言あっても良いではないか。
何故内緒にする必要があったのか。
「こっちだ」
案内しながら進む一護を思わずその腕を掴み引き止める。
「何、どした白哉?」
「母君の墓か?」
「そうだけど」
「何故黙っていたんだ。墓参に相応しい身なりをしていない上に花まで用意していないではないか」
「そんなの気にするなよ。花なら直ぐそこの花屋で売ってるし、墓参りするのに身なりなんて関係ないだろ」
「何をふざけた事を。故人に対する敬意は払うべきだろう」
白哉はあまりにも無頓着な一護の言いように腹が立つ。礼儀と言うものがなっていない。
子供っぽく怒る割には礼には五月蝿い白哉だった。
一護は一護で、最近は少しづつ物腰や言動が柔らかくなってきた白哉だが、
こんなところはどんなに砕けてきたといっても直らないんだな、などと思っていた。
まあそんな所も含めて白哉なのだから仕方ない。
それにそんな融通の利かないところも実は嫌いではないのだ。
これを世間では痘痕も笑窪という・・・。
「良いんだよ、そんなの。俺の母さんはそんな事ちっとも気にしないおおらかな人だったからな」
「駄目だ」
「わかった。じゃあ次に来るときはきちんとして来るよ。だから今日の所は良いだろ?」
はあ、とため息をつきながら一護は妥協策を提案してみる。
「・・・仕方ない。今回だけだぞ」
いかにも渋々と言った様子の白哉が頷く。本当に嫌そうだから笑える。
いや、笑ったら何されるかわからないので勿論堪えたが。
END
電車初体験の兄様。・・・・の続き。の続きの続きです(笑)
はい。真咲さんのお墓参りでした。
何しに来たのかはまた続き書きますv
って言っても大した事ではないですが;;;
2007.8.9