悲想
「好き」
「大好き」
「お前はどう思ってるか知らないけど俺はお前が好き」
ひっそりとした部屋の中で聞き取れないほどの小さな呟きが閑散とした空間を静かに満たす。
久しぶりに訪れた朽木家の白哉の私室。
無駄に広い空間が広がるその部屋には必要最低限な家具しかなく、どこか空虚な雰囲気が漂っていた。
そんなひっそりとした、真夜中というよりは明け方に近い時間。
一護の想いが意図せず零れる。
珍しく穏やかな寝顔の白哉につい見とれてしまう。
静かな寝息をたてる白哉に少しだけ驚く。
こんなに穏やかな表情の白哉は滅多に見られない。
白哉とこんな時間を共有するようになったのはいつのことだろう。
きっかけが何だったのかそれすらも曖昧なまま、体だけの関係は続いていた。
出会いは決していいとは言えない自分たちが何故このような関係に陥ったのか。
それでも、今現在自分が白哉を慕う気持ちは嘘ではない。
自分だけが焦がれているような気がする。
そしてそれは間違ってはいないだろう・・・。
何時からこうなってしまったのか。
何度も同じ疑問が頭の中で空回りする。
白哉の心は一護には無い。
それは間違いない。
白哉の中には誰か棲んでいる。
それが誰なのかは薄々分かっている。
『緋真』という名の女性。
かつて白哉の妻だった女(ひと)。
どんなに足掻いても取って代わる事の出来ない存在。
嫉妬しようにも既に居ない女(ひと)。
白哉に抱かれながら、いつその口から彼女の名が紡ぎ出されるのかと恐れる日々。
行き場のない思いが渦を巻いて自分の心を掻き乱す。
出口のない迷路に迷ったような、そんな心許ない思いが一護を知らず押し潰す。
眠る白哉に今夜もまた告白する。
「白哉、俺はお前を愛してる。お前は・・・・?」
END
くっ暗い!
自分でも何が書きたかったのか今一つ判然としませんが、
多分、一護の片思いが書きたかったんでしょうね・・・・。
兄さまは本当は一護が好きなんですよ!
でも、一護はその思いを理解してないんです。
だから切ない。
そんな感じです。(そんな感じ???)
2007.11.4