危険なXXX 「次の授業は格闘か・・・」 「どうしたんだよ、ユージン」 「はぁぁぁ・・・」 次の授業のために移動中の廊下で、溜息混じりに呟くユージンにエドワードが何気なく尋ねると、 更に大きな溜息が返ってきてビックリした。 一体どうしたのだろうか。 「だ、大丈夫か?」 エドワードが思わずそう言いたくなるほどユージンの表情は暗く、 肩はこれ以上下げれらないくらい下がっていた。 エドワードよりも小柄なユージンだけに、そうしていると何とも頼りなく見える。 「うん。大丈夫だよ。ありがとう、エド」 「気にしなくて良いよ、エド。ユージンは格闘が苦手なだけなんだから」 「はぁ?」 一緒に歩いていたウルリックが、なんでもないから気にするなとエドワードに告げる。 「あーっ!バラすなよ。リック!」 「良いじゃないか。本当のことなんだからさ」 「本当のことでも知られるのは恥ずかしいんだよー」 「だったら毎回憂鬱そうな顔しなきゃいいのに」 「仕方ないじゃないか。無意識にそうなっちゃうんだからさぁ・・・・・・・」 ウルリックに抗議していたユージンだったが、言いながらまたもや気が重くなってきたのか、 段々と語尾が小さくなる。 本当に格闘が苦手なんだろう。 誰にでも向き不向きというものがあるのだから仕方がない、とエドワードは思う。 かくゆう自分にだって、数限りなく苦手なモノがあるし、部下達にだって得意分野と不得意分野がある。 それらをどう活かすようにするかが大事なのだ。 「気にするなよ。ユージン。格闘が苦手だって、お前には他に幾らでも出来ることがあるじゃないか」 「慰めてくれてありがとう。エド。そうだね。自分の得意なことを頑張るよ」 「そうそう。俺なんてこの間の射撃訓練最下位だったしな」 「そ、そうだね。確かに・・・」 「あぁ・・・そう言えば・・・」 あっけらかんと言いつつ、少なからず気落ちした様子のエドワードが、自ら示した比較対象に、 ユージンとウルリックは思わず言葉を濁す。 2人は、脳裏に浮かんだ光景を反芻して思った。確かにアレは酷かった・・・・と。 まさかこの、優秀すぎるほど優秀な頭脳を持つエドワードが、 士官学校創立以来初めてかと思われるような、悲惨な成績を残すとは思いもしなかったのだから・・・。 そう考えれば、確かに自分の格闘センスが多少無いくらい、どうって事もない気もする。 錯覚だろうか? 3人でそんな会話を交わしていたら、いつの間にか更衣室まで辿り着いていた。 よし、頑張るぞ! ユージンは、気持ちも新たに苦手な訓練に臨むことにした。 だが、そんな清々しい決意が、この少し後に、脆くも崩れ去ることになるとは、 全く思いもしなかったユージンである。 2クラス分の男子生徒30名が、狭くもないが広くもない室内で一度に着替えている光景は、 中々に壮観で妙な迫力がある。 仮にも皆、軍人を目指している者達ばかりだから、鍛え方も一般の男子とはひと味違う。 勿論、全員が全員というわけではないが。 そんな、見事な筋肉に覆われた肉体は確かに素晴らしいが、要は同じ男のヌードである。 一言で言ってしまえばむさ苦しいだけだったのだが・・・。 この日、普段と同じ光景が広がるはずの更衣室で、ある異変が起こっていた。 更衣室に入ってきた者。上着だけを脱いだ者。頭から訓練服を被ったままの者。 そんな、中途半端な格好のまま固まった男子生徒達の、 どこか惚けた視線は、ある一点へと集まっていた。 その視線の先にいるのは、彼らと同じ男性である1人の生徒だった。 室内中のほぼ全ての視線を集めていることに、気が付いているのかいないのか、 周囲の視線などものともせずに制服を脱いでいるのは、勿論エドワードだった。 その勢いは素晴らしく、上着のボタンに手がかけられたと思ったら、あっという間に上半身が現れた。 細身で、日焼けしていないその肌の色は驚く程白く、一見軟弱にも見えるが、決して女性的ではない。 滑らかでバランス良く付いた筋肉はとても綺麗で、見ていた者達は感心する。 更に目を引きつけたのが、普段はポニーテールにされている金色の髪がほどかれ、 背中へと流れていたことだ。 着脱するのに不都合だったのだろうが、白い肌に映える黄金が目映くて、目のやり場に困る。 男の裸に、うっかりドギマギしてしまった生徒達の狼狽が消えないうちに、 エドワードの手は更に進み、ズボンへとのびていた。 そして、これまたあっという間に下半身が現れ、ほっそりとした足が目に飛び込んでくる。 クラッとする。 筋肉が付いているはずなのに、何故かほっそりすんなりと伸びた足はどうしたことだろう? 本人がどう思っているかは別として、生物学上同じ性であることに疑問が湧いてくる。 アホみたいな事を考えながら、何名かの生徒が、思わず自らの足を見下ろして首を傾げる。 不思議だ・・・・・・。 「エ、エド」 「ん?どうした、リック。着替えないのか?」 「き、着替えるよ」 「ユージンも何だか顔が強ばってるけど大丈夫か?」 「だ、大丈夫。なんでもないよ」 「そっか?なら良いけど。俺ちょっと寄るところあるから先に行ってるな」 「寄るところ?」 と、ウルリックが聞けば。 「運動前に寄る所って言ったらあそこしかないだろう」 「あそこ・・・?」 「トイレだよ。ト・イ・レ!」 と、何とも色気のない返答が返ってきた。 まあ、エドワードに色気を求めても詮無いことではあるが。 「そ、そっか。分かった」 「じゃ、後でな」 「お、おう」「う、うん」 他の生徒同様、下着姿になったエドワードの姿に激しく動揺したウルリックが、 無意識のうちに口走ったのは、当のエドワードの名前だった。 どこか弱々しく、呆然とした様子の声色を不思議に思ったエドワードが、 今度は訓練着に着替えながらウルリックに話しかけたのだが、 何故かユージンまでが、どこか様子がおかしくなっていた。 どうしたというのか。やはり格闘訓練が気が重いのだろうか。 だが、ぎこちない会話ながら、別段調子が悪いわけでもなさそうな2人に安心すると、 エドワードは、一瞬だけ肌を晒した後、何事もなかったかのように着替えを終え、 手早く髪をポニーテールにすると、呆気に取られたままの生徒達を残して、更衣室から出て行った。 後に残された者達の衝撃など全く意に介さずに、そりゃもう颯爽と。 「・・・・・トイレ。行くんだな。あいつも」 「・・・そりゃ・・・行くだろうよ。人間なんだから・・・」 「そうだよな・・・」 誰かが呟いたそんな会話に、室内中に無言の肯定が広がる。 一瞬でも、自分の性癖に疑問が生じた出来事に、誰もが目を反らしたかったのか、 話題はトイレの事に限定されていた。 訓練の開始までには多少時間があるが、果たして自分達は間に合うのだろうか。 早鐘を打つ心臓とは反対に、いつまでも硬直して動かない体に鞭打って、 彼らが訓練場に向ったのは褒めて然るべきだろうか? そうして、自分の着替えが巻き起こした騒動に気が付きもせずに、エドワードが向った先は、勿論。 鉄血の錬金術師。バスク・グラン准将のもとだった。 |
END
凄く久々の更新は、「General's Game」の番外編というか小話になりましたv
グラン准将の控室に行く前の小さな騒動です(笑)
決して女性のような体つきをしているわけではないのに、
何故か周囲に妙な気を起こさせてしまうエドワード。
本人が知ったら大激怒しそうですが、度々こうした騒ぎが起こっているのです(笑)
昔のアイドルばりに、トイレ行くのも不思議がられるって、有り得ないですよね;;;
ちょっとやり過ぎちゃったかな;;;
相変わらずオリキャラ出張ってますが、ご容赦下さいね(>_<)
タイトルのXXXに入る言葉は、適当に当て嵌めて下さいv
更衣室でも、着替えでも、裸でも、将軍様でも(笑)
次は本編をUP出来るよう、頑張ります☆
2010/09/09