俺の父親は朽木白哉と言う。  
俺が五歳の時に拾ってくれた人。
金持ちな人。

綺麗な表情は滅多に変わる事無く、一応養子ではあるが、子供の俺も結構近寄 り難い。
と言うわけで、中学二年となった俺は、周りの人に何か良い方法はないかと、 聞きまわった末、
遠回りになってしまったが、父に一番近い人物に訊いて見た。

「じいちゃん」

じいちゃんとは父を子供の時から見てるという、代々朽木家に仕える老人。
所謂、漫画とかで「じいや」と呼ばれる立場の人。

「何です?」

上唇の上にある白い髭がモホモフと動く。

「如何なさいました?一護坊ちゃま」

相変わらず、その呼ばれ方はこそばゆい。

「父さんは何したら、笑うと思う?」

眼鏡の奥の小さな瞳がキョトンと俺を見詰めてから、嬉しそうに、けれど、ど こか楽しそうに細められる。

「そうですなぁ……」



父がいる部屋へと直行。
此処へ来て、もう九年経つが、数度しか入ったことのない。
入れてくれるかどうかは判らないが。

「父さん」

そう呼びかけると、暫くしてから返事があった。
しかも、入室許可の付き。  
襖を飽けると、相変わらず、物が少なくだだっ広い。  
無表情な顔が俺を見詰めている。

「如何かしたか?」  

やっぱり無表情な声に、俺は躊躇いながら、父の前に立った。

「父さん」

声がまるで戦いを挑む様だ。

「何だ?」

「だっこして?」  

この歳でこの台詞はどうかと思うが……。  

黒い双眸が見開かれて、俺を見詰めている。流石に、その視線には耐えられず。

「や、ごめっ、やっぱ」

「来なさい」  

両腕をいとも簡単に広げて、父は笑った。  
すげぇ、流石じいちゃん。

「おう」  

思いっきり飛び込むと確りと受け止めてくれる。

「甘えん坊だな」  

柔らかくなった声、頭を撫でる大きな手。  
初めてかもしれない。  

父の心音を感じながら、俺はゆっくりと、目を閉じた。






毛玉GG様より頂きました〜〜♪
怖いくらい優しい顔した兄様と、その腕の中で安心したように抱かれてる一護が
めっちゃ可愛くて萌えーーー!!!
こんなに素晴らしいイラスト&SSを頂けるなんて感動ですvvv
調子にのっておねだりしたのに気を悪くされることもなく
あっという間に描いて(書いて)下さるなんて本当に嬉しかったー☆
気絶しそうなほどの衝撃にニヤニヤ笑いが止まりません;;;
毛玉さま、本当にありがとうございました!

2005.8.23